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■注意書き■
*和製大型クエストMOD、Legend of Divaのロールプレイ日記兼記録です。*
*まだβ版という事なので激しくネタバレしそうな日記は続きへ自重。*
*駄目っぽかったらこっそり教えてください(´・ω・`)*
*久し振りすぎてうろ覚えだったり時間が飛んでたり他クエもごちゃごちゃ混在*
「……暗いのは苦手だな」
大昔に廃棄されたらしき砦の最奥、仕掛け扉をくぐったその先。
鉄錆の臭いの混じる生臭い臭気に満たされた小部屋で溜息混じりに呟いた。
周囲には既に事切れた山賊の一団、一先ずはそれらから路銀になりそうなものを探すべく松明の明かりを頼りにしゃがみ込む。
「……賊の癖にいいエンチャント持ってるよね。ほら、この指輪なんて魔術師ギルドの印入りだし…どうせ盗品だろうけど」
少し先では頭目格の死体を探っていたオニオンが、小さな石の嵌め込まれた装飾品を此方へと放り投げる。
「…といっても、俺には分からないんだが…」
魔法の心得どころか素質すら残念な身としては一見してソレはただの指輪にしか見えない。
が、彼女の言う事ならば間違いはないだろう。受け取ったそれを道具袋へとしまうと、他に大したものを身につけている様子の無い身なりに見切りをつけ膝を伸ばした。
「こうして装飾品に魔力を込めてくれるなら助かるね、鎧とか剣は剥がしても重いし安いしさ」
「そうだな──って、お前山賊よりタチが悪くないか」
「えー…?僕らの場合は正当防衛でしょ」
「いや、そもそもアジトに乗り込んだのは俺たちの方だし、押し込み強盗に近──」
「もー、うるさいな。それより探し物は?あったの?」
「あ、あぁ…いま探して──、と…」
小部屋の奥まった場所は頭目のスペースでもあったのか、大量の本と幾つかのチェスト、そして棚に並べられたワインと…大量のスクゥーマの小瓶。
急かされる様にチェストの一つを開ければ、薄汚れた紙片が収められているのを見つけて安堵に胸を撫で下ろした。
「あったぞ、これで二枚目だな」
数ヶ月ほど船に揺られ、タムリエルという大陸へ辿り着いたかと思えば何をする間もなく奇妙な女性に頼られ、今はなりゆきで薄暗い廃砦の中、大昔の書物の断片を探している。
…何を言ってるか分からないとはおもうg(ry
報酬は前払いで貰ってしまっているし、助けてと面と向かって言われたからには放り出すのも憚られる。
これまた奇妙な二人組みの盗賊にも狙われている様だし。
……3回ほど絡んできたところを追い払ったが、あいつらも今どこで何をやってるんだろうな。
ともあれその女性は今は安全だろう場所に匿ってもらっているし、どこか抜けたところのあるあの二人組がどうこうする事はできないだろう。
「…何ボーっとしてるのさ。ほら、出るから早くこっち来て」
「ん…あぁ、そうだな」
ダンジョン外への転移の魔法を詠唱し始める彼女へと寄れば、視界は白に。そして──
「……やっと外、か」
狭苦しい暗闇に居たのはほんの数時間、だがそこから開放されたかと思えば自然と肩から力が抜ける。
眩しい日差しに空を見上げれば、まだ昼前だろう太陽の位置に目を細めた。
「で…次はどこから探そうか。あと書店がある街はー…」
手がかりは各地の書店や好事家のみ、そんな厄介な探し物に眉を寄せ次の目的地を考えるパートナーを眺めながら今までの経緯を振り返る。
行きがかり上で各地を回るついで、戦士ギルドに籍を置き帝都のガードとして街道の巡視、それと手助けを必要としていた人間からも幾つかの依頼を受けながら…ここまで来た。んだよな。
一応はガードとして定期的に収入もあるし(…その前に身分も何も証明出来ない人間を雇うのはどうなんだ?←)面倒な事はしなくても構わないんだが…
「…またボーっとしてる!おにいさんも考えてよね」
「べ、別にボーっとなんて…!」
…好奇心というか野次馬根性というか。
それとオニオン曰く、お人好し。
「とにかく一旦ここから離れよう。近くに村もあったし、一先ずそこで休憩…という事でな?」
頬を膨らませる彼女をどうどうと沈めつつ、薄く細い煙の立ち上る方角を指差せば返事を待たずに歩き出す。
背後ではまだ不服げな声が小さく聞こえたがそれも直ぐに消え、手を繋ぐ代わりにコートの裾がくいと引かれた。